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岩手県議会議員佐藤ケイ子、旅行記



平成14年度 東北市議会議長会海外行政産業視察

2002年10月10日(木)から10月21日(月)の12日間

日次 月日 国・滞在地 スケジュール
1 10/10(木) 成田出発
ドイツ(フランクフルト到着)
移動日
2 10/11(金) フランクフルト 自治清掃局訪問(環境)
徒歩にて市内のゴミ収集システム視察(環境)
3 10/12(土) ドイツ
ランダ(アムステルダム)
市内公共施設視察(午前)
移動
4 10/13(日) アムステルダム 市内公共施設視察(午前・国立博物館)
フロリアード2002視察(環境・農業)
5 10/14(月) アムステルダム
デン・ハーグ
オランダ地方自治体協会訪問(地方行政及び施策)
FOKUS(障害福祉施策)
6 10/15(火) アムステルダム
ロンドン
移動
市内公共施設視察(夕方)
7 10/16(水) ロンドン市内公共施設視察 ギルフォード市のパーク&ライド視察(街づくりと交通施策)
ギルフォード市議会訪問(地方行政)
8 10/17(木) ロンドン
パリ
セントポールズRCスクール訪問(学校教育)
移動
9 10/18(金) パリ
オルレアン市
オルレアン市訪問、トラムによる地域活性化
(交通施策)
プロテクションシビル訪問(民間防災組織)
10 10/19(土) パリ 市内公共施設視察(ベルサイユ宮殿)
11 10/20(日) パリ 市内公共施設視察(世界遺産フォンテーヌブロー)
移動
12 10/21(月) 成田到着 移動


青森市・五所川原市・三沢市・久慈市・二戸市・盛岡市・花巻市・北上市・江刺市・陸前高田市・鹿角市・秋田市・横手市・山形市・米沢市・天童市・いわき市

参加人数  議員29人・(団長市から随行職員・添乗員2人)

所  感


@ドイツ

「人間再生」の取り組みに学ぶ

ドイツでの研修テーマは、「環境問題に対する自治体の取り組み」についてであった。訪問した電化製品の分別解体施設(フランクフルト自治清掃局・GOAB社)は、手作業によって1台1台部品を解体していた。ドイツと言えば「環境先進国」と思っていた私は、最先端の技術で処理している施設を見せてもらえると思っていたので、汚れる作業や細かく単純な人海戦術の作業に驚いてしまった。

実はこの施設の目的は、電化製品のリサイクルより「人間の再生」が大きな目的で、失業対策事業として、強制的に職業訓練を受けている人たちが多く、処理工程の熟練とともに資格取得でステップアップと自立のための「資源と人間のリサイクルセンター」であった。

処理費や賃金などの経費は、98%を市(雇用保険関係予算)から委託費を受け、2%が福祉関係費から出ており、給料は手取りで月2000ユーロ(24万円)になるというから、日本の失業対策とは違って充実していることに感心した。

ドイツでの最大の感心は、失業率10%ということだった。日本の失業率は5.5%で過去最悪と言っているが、実は統計の取り方に問題があり、実質は倍と言われている。そして今後の不良債権処理が進めば、更に100万人の失業者が出ることが予想されているにもかかわらず、お粗末な雇用保険制度とその維持さえあやしい状態で嘆かわしい限りである。ドイツのような雇用創出の取り組みが、日本でも絶対必要だと感じたところである。

ゴミの回収については、各家庭ごとに排出量によりコンテナーの大きさを決め、処理料金(3 人家族で月5千円程度)を負担していたことや、ビンの回収ボックスや衣類の回収ボックスが市内いたる所に設置され、リサイクルのシステムが確立されていることに感心した。ゴミ回収車はコンテナーを持ち上げてひっくり返す装置があり、作業員が重いゴミを持ち上げて腰を痛める心配もなかった。

資源と人間のリサイクルの理想的な姿を見ることができ、今後の環境と雇用政策の指針として参考になった。



Aオランダ

地方自治体における国際協力の取り組みに驚き

オランダは、自由と自己責任の国。象徴的なのが、安楽死・売春・麻薬というように日本人としては違和感を持つ。しかし、自由と同時に「民主主義」と「人権」を最も大事にし、国際法秩序の推奨と国際法の進展に力を入れているのは、自国の営利だけを目的としているのではないことがすぐ理解できる。

首都ハーグでは、「世界平和市民会議」が何度も開催され、国連の国際司法裁判所なども置かれているように、外交政策は、世界の平和・自由・繁栄促進への願いを指針としている。開発協力もその一環であり、近隣諸国との友好に努めるばかりでなく、中央ヨーロッパと東ヨーロッパの発展にも大きく関与し、民主化と市場経済への移行を積極的に支援している。

その国際協力の活動は、国の仕事だけではなく地方自治体の仕事でもあることに、驚きを隠せないばかりか、「到底できっこない」と開き直りに近い感情を抱いてしまい、自分自身の貧弱な発想力に気づかされてしまうのである。

オランダ地方自治体協会(VNG)を訪問したが、日本で言えば、市長会や町村会と議長会などが一緒になった団体と思った。国への政策要求、公開討論や研修会の開催と情報誌の発行とともに、国際協調のプロジェクトでは、各地方自治体の国際施策を統括し、アフリカ・アジア・中南米・中央及び東ヨーロッパの諸国へ開発プロジェクトを相手側の都市とともに行なっていることが日本との大きな違いだった。

我が国の地方自治体の中で、国際協力や途上国への支援を行っている自治体があるだろうか。姉妹都市・友好都市として、交流を深める程度の関係がほとんどあろう。大半が交流によって子供たちの国際感覚を養い、語学の上達をねらうものである。援助が必要な国と付き合うという感覚はなく、相手から得る何かがなければ、タダ支援だけでは許されないような風潮がある。

私自身、このような開発援助事業がどんなにすばらしい理念を持っているとしていも、日常の予算に窮し効率性が優先される現実の中、北上市の施策として提案ができるとは思えない。やはり発想が貧困であることは否めないことを実感する。

オランダのように、国と地方自治体がそれぞれの役割に応じて国際支援する姿は理想的であり、私たちの自治体でも、更に国際理解を深める努力と国際支援を視野に入れた活動が必要になってくることを確信した。



Bイギリス

街の活性化は交通施策と法規制のバランスが大事

ロンドンに近いギルフォード市を訪問したが、中世の美しい町並みを保存することは、

道路を広げることや駐車場の確保ができないため、郊外の市営駐車場からシャトルバスを利用する「パーク&ライド」で対応していた。イギリスでは数多くの都市で行なっているとのことだった。

イギリスでは、郊外に大型店が建て始められたとき(1992 年)に、商店街の衰退につながるとして、郊外型大型店の立地を法規制したので、美しい町並み保存と交通施策が一体化し、町の活性化を推進していた。競争を一定程度規制することによって、町並み保存と交通問題と地域活性化のバランスをとっていたことが特徴的であった。

日本では、郊外の大型店立地に対しては規制するどころではなく、規制緩和と自由競争が進められている。全国各市で中心市街地の空洞化が問題となり、どの市議会でも活性化にむけて議論をされているが、この矛盾とも言える現実に対して、政策なくして町の活性化はないとの思いを強くし、大きな違いを感じさせられた。

いじめと不登校のない学校づくり

イギリスの教育制度が変わって2 年目であり、成果がどうなるか国民の感心を呼んでいた。全国共通の達成度試験を行ない、学校ランキングをつけて特色ある学校づくりをしようとしていた。また、ガバナーズという学校運営委員会が、教育委員会・父母・地元・先生などから構成され学校運営を協議するシステムとなっており、これは日本でも動き出しているので、今後イギリスの成果を注意しながら見守りたいと思った。

訪問したのは、560名の男女共学の公立中学校で、多国籍・他民族の子どもたちが在学しており、生徒たちが各教室を案内してくれた。毎日2回出席の確認を行ない、生徒の存在と健康チェックを行ないながら、いじめや不登校に対して学校が積極的に解決に向けて関わっている姿勢がみられた。

また、親の協力も法律で決めており40万円程度の罰金制度もあるということには驚いた。学校の努力と親の協力によって、子どもたちの環境を整えるシステムが築かれていることに感心した。



Cフランス

復権するトラムウェイ(路面電車)

トラムとは、英語ではトレインのことと思ったが、近代的な路面電車のことだった。ここ20 年間ほどの間に、ヨーロッパの60以上の都市がトラムを新改設ないしは路線延長している。フランスでは10万人以上の自治体が、交通対策を自治体の責任で行なうことになったため、トラムを走らせる自治体が20団体程度になり、特にも力を入れていることが伺われた。車という便利なものを規制しても、歴史のある美しい町並みを保存する姿勢は見習うべきと思った。また、少々の犠牲もやむを得ないほどのすばらしい歴史的建造物に目を見張るばかりだった。

トラムによる交通渋滞解消と規則的な運行確保のほかに、騒音・大気汚染対策やバリアフリーの考慮もあり、中心商店街の振興対策にも効果をあげているようであった。

日本では、路面電車がほとんど廃止されてしまったが、フランスでは一度廃止したものを復活させたことはどういうことだろう。車社会の限界を感じたが、日本では人口規模や雪問題から導入できないだろうが、また、全国の都市で路面電車が復活する時代も来るかもしれないと思った。

パリの防災は市民団体も協力

パリの市民防災組織(プロテクションシビル)の隊員は、ボランティアとして活動し職業も様々で、教師や学生、看護婦など200人の救助員が所属していると言うことだった。仕事の内容は、救助員の養成、病人・けが人の救助、災害援助、各種イベントの救護所での待機などで、医療施設や消防署とも連携をとって活動していた。

私は、民間人が救急車を運転するなんて考えられなかったが、多彩な組織が協力・連携して救急体制を整備していることに驚いた。世界にはいろいろな市民団体が活躍する場があり、今後は市民の活動を支援するのが自治体の仕事の大きな要素を占めることから、貴重な研修であった。

 

D社会保障政策充実が政治と国民の信頼の基礎

各国とも教育費・医療費は無料。生活を保証する年金額、高齢者や障害者の福祉制度も人権の保障を基本にし安心できる制度が確立されていてとても羨ましい限りであった。

一方、社会保障を支えるための負担額も重い。例えばドイツの場合は、消費税は食料品を除き16%(来年から17%)、介護保険は16歳から1.6%、年金は19%、健康保険は19%、所得税は16%と給料の半分は税金である。その他に、病院、老人ホーム、ホームレスの施設など教会で運営しているものが多く、結婚式も葬式もタダで行なうため「宗教税」があり、州毎に違うが4%前後。「犬税」は年1万円(州によって違うがフンの始末を公共サービスとして清掃をする)。「連帯税」は6%(東ドイツを開発し平等な環境をつくる)など、数多くの税で支えられていた。その分、政治への感心も高く、常に政策に感心を持っていると言う説明があった。政治に信頼がなければ、こんな高い税金を出せるはずがないと思った。

この税率は各国少しずつ違うとしても、制度的には共通部分が多かった。現地ガイドが「低所得者には本当に住みやすい国です。」と言ったが、日本では教育費の負担や医療費と老後の心配のために貯金をし、民間の保険を掛けているのを考えれば、どちらの負担が多いかわからない。むしろ日本のほうが税負担は少なくても、実質的な負担は多いのではないかと思った。

残業はせず、バカンスは2ヶ月をとるヨーロッパの生活と、日本におけるリストラの嵐の中での社会保障の貧弱さを思うと、大きな政策の違いを感じさせられた。

この研修で、理想的な社会保障の姿を自分の頭の中にイメージできたことは、政策提言に大きな力になると思ったことと、市民に信頼を得られる政策を打ち出していくために、今後も勉強しながら、視野を広げていかなければならないことを痛感させられた研修であった。

この研修に御配慮を頂いた多くの関係者に感謝しながら、報告と致します。




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